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中国の30代監督 ゴウ・チン、ケ・ディンディン両監督の作品 上海の旅行会社の若手幹部の1年をカメラで追ったもの。 彼は1日2〜4時間しか睡眠をとらず、帰宅しても夜中2時3時まで コンピューターに向って仕事をする。 一緒に暮している恋人は 「彼は完璧主義なので、丁寧に準備を する。彼が仕事をするのはお金のためじゃない。」 その恋人が2年のローンで共同名義でワンルーム(100平米)の マンションを120万元(2700万円)で購入する。 建築中のマンションで、彼女は自分の母と工事中の部屋を 見学に行く。彼女の母は、あまり賛成している様には見えない。 もっと良く考えて買うものだと。 彼と彼女は友人夫婦と食事を楽しみながら、マンションの購入を 話題にしている。 友人たちは「ローンを考えると買い得とは言えない」と言うが 彼女は利子の事も考えて購入したと答える。 そこで監督のナレーションが入る・・・・ 「上海では富裕層も下層階級も皆、お金の事を話している」 彼の父は国営の企業を定年退職して、彼の援助でレストランを 母と共に経営している。 はじめは良かったが売上が落ちこみ、客も減っている。 店頭で点心を売ったり、色々工夫をしてはいるが大変だ。 母は朝4時30分から市場に出かけ、レストランの為に身を 粉にして働いている。売上が出ないまま、損失を少しでも 減らす為、店を開けなくてはならない・・・・ 営業成績を巡って両親は口論を繰り返し、互いに疲れ果てている。 たまにしか店に来ない息子の事は殆ど諦めている。 手伝って欲しくても息子自身も忙しく仕事をしていることを 知っている母は言う。 「子供は頼るべからず」 ある日母が血圧210で倒れ連絡が彼の事へきた。 父親も血圧が高く、心配な状況だ。 親子で話し合い 息子「6万元の損失にはなるけど、体を悪くしては仕方がないから、店を閉めよう」 母「今月の25日で丸2年になるから、それで閉めよう」 父「・・・・・」 しかし病院通いして血圧が落ちついたことや、6万元の損失を出す事を 考え、レストランを閉めることはできず、両親は営業を続けている。 なぜ彼が両親にレストラン経営をさせたか・・・・理由があった。 父は定年退職してから、麻雀にはまってしまい母との関係が 思わしくなくなった。何か人生に目的を持てば、 良いのではないかと彼は考えたのだ。 父にと考えたレストランの経営だが、母も働くようになった。 母親は父親のやる事全てが気に入らない。 しかし彼は「母の憂鬱は以前からだ、私にはどうにもできない」 と諦めきった口調で語る。 彼は恋人との結婚について 「彼女は結婚したら逃げられない。だからこそ完全に幸せに しなきゃいけない。安定を基本に考えないと。 経済的な基盤がないといけない、仕事をしなくても月に 2万元(32万円)くらいは入ってくるようにしないといけない。 貯金や投資をして・・・・後、3〜4年位で理想の状態になる。 まずマンションのローンを2年で終わらせないと。」 「3〜4年で理想の状態にたどり着いたとしても 安心感が得られなくて不安になる・・・・それが人間かな」 彼は両親と自分は努力した事にこだわって最後までやらないと きがすまないんだ・・・・と恋人に言う。 最後に監督2人がそれぞれこのドキュメンタリーについて 語っている。 「上海ではお金が幸福や不幸の基準になっている、 話題もそればかりで、疲れる・・・・・」 「日本でも以前はこんな時期があったのだろうか? 上海人に穏かな生活はない。激しく揺れる生活、 自分たちは物欲を過度に放縦している。 懸命に働いて幸せになれるというロジックに振回され、 お金で悩み・不幸の価値が決まる。 人生の自信を持って生きる事が大切だと思う。 この記録を見てどう思われますか?」 大人も子供も疲れ果てているにもかかわらず、 仕事をしている。 まるで以前の日本のような上海の今。 富んでいる人は確かにいるだろうし、その富が もたらす物を享受している人達もいることだろう。 一方で懸命に働いても、楽にはならず働き詰めで 疲れ果ててしまっている人達も大勢いるようだ。 きれいごとかもしれないけれど 体を壊すほど働いても保証のない生活、底辺で働いている 人達の思いはどこにぶつければいいんだろう。 その努力や勤勉さは、誰が評価してくれるのか。 富裕層ですら、強迫観念にかられて生活を楽しむ余裕を 持てないような状態は、やはり健全とは言えない。 誰も貧するより富んでいるほうが良いと思うだろう。 でもそれが即幸福感に繋がるとは限らないのが 今の時代なのかもしれない。 ”自信””誇り”も生きていくためには本当に大切なことだ。 私達は何の為に生まれてきたか、生きて生を真っ当するのか そんな事も否応もなく考えさせられる番組だ。 |
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