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モンゴルの首都ウランバートルでマンホール暮らしをする 子供達のその後を追った。 1998年に放送されたドキュメンタリー番組の続編。 マンホールで大人になった・・・前編 2004年3月、ウランバートルを訪ねるとそこには大人になった オユナ(20歳)がいた。彼女は少し恥ずかしがりやになっていた。 ウランバートルの街には車が溢れ、大型ショッピングセンターもでき、 富裕層も出てきた。 6年前にオユナと一緒に暮らしていた少女達は、バラバラになってしまった。 オユナはケンカ別れしていた母親=シュッュゲ(50歳)や兄弟親戚9人と、 同じマンホールで暮らしていた。オユナの父親は子供の頃、亡くなった。 ウランバートルには母と一緒に出てきたが、ケンカをして一緒に 暮らしていたマンホールを飛び出し、別のマンホールに友達と 暮らしていたのだった。 そのオユナもマンホールで知り合った男性と16歳の時、結婚をした。 彼の実家で暮らしていたが、家の中での普通の生活に馴染めなかった。 2年前に離婚し、生まれた娘は夫とその家族が引取った。 元夫=ツォージョの家族は牛乳に目をつけ、牧畜業を営んでいる。 祖父母・元夫・叔母と暮らしているが、暮らしぶりは比較的裕福な方だ。 オユナの娘=ホロルは家族から愛情を受けている。 ツォージョの家族は、オユナがホロルをマンホールで育てようとした事を 認める事はできなかった。ホロルは元夫が家族と共に育てている。 「娘に会いたいか?」・・・・訊かれたオユナは泣く。 前夫=ツォージョに「娘に会わせてほしい」と頼むが、返事は来ない。 離婚して傷ついたオユナを母は温かく迎え入れた。 母「オユナとは沢山話し合いました、今思えば(ケンカは) 普通の親子の出来事でした」 オユナが6年前に仲の良かった男の子達・・・・ ボルト・ツォロモン・ダシャのその後は? 6年前、縄張り争いが絶えなかった時、ダシャはいつも ケンカして2人を守っていた。3人はいつも一緒だった。 ダシャは両親が離婚、母親が再婚した。 家にいるといつも殴られることから、家を飛び出した。 ツォロモンも父親の暴力にあい、家を飛び出した。 しかし、足を怪我した事から叔母の所で世話を受ける事になった。 ボルトは両親が離婚し、母親の「金を稼いでほしい」という願いから ウランバートルに送り出された。母の元には妹と弟がいる。 ツォロモンを怪我させたと責められたボルトはダシャと 言い争いになり、2人は別々の生活を送る事になった。 ボルト(19歳)は今、ウランバートルの郊外に住んでいる。 草原の小さな家に住む・・・2年前に自分で家を建てた。 故郷ダラハンから母と妹=アンボーカル(18歳)を呼び寄せた。 毎日きちんとごはんが食べられる、家族を養う収入もある。 この家は自分で建てた・・・貯まったお金で材木を買い建てた。 必要最小限家具もある・・・10畳の家。 水道も電気もない・・・だがもうマンホールに戻ることはない。 ボルトは今建設会社に勤めている。 朝7:30・・・出勤するボルト、家から歩いて30分が今日の仕事場だ。 ボルトは頼み込んで臨時雇いの仕事を貰った。 真面目さが認められ正社員になり、2年前には社長賞を貰った。 ボルト「仕事に就くのは大変だった。心底、仕事が欲しかった」 6年前の正月、ダラハンに里帰りした。 「施設で勉強をしながら、働いている」・・・その時母親にこう言った。 「町の市場で働いているが収入が少ない、家族を養ってほしい」 母親の期待に応えた。 母「どの子も大切ですが、あの子は特別です。自慢の息子、将来が 楽しみ」 妹「兄は優しくて面倒を見てくれる」 〜靴を買ってと言いましたが? 妹「はい、約束どおり買ってくれました」 ボルトにとってマンホールでの暮らしは遠い。 ボルト「僕にもチャンスはある、出世したいんだ。 マンホール育ちだと思われないぐらいに」 今ボルトは1人の仲間を養っている・・・ダシャだ。 ダシャ(20歳)を養っているのだ、1ヵ月前から一緒に住んでいる。 ツォロモンはダラハンに帰った。 ダシャはボルトを頼ってきた。 6年前、2人は仲間割れした・・・ボルトがツォロモンを怪我させた事から。 それから2人は別々に暮らしていた。 6年が経ち、ボルトは昔と同じように迎え入れた。 ダシャは久し振りに温もりを得た。 10畳の家の中にベッドは2つ・・・1つのベッドに2人ずつ寝る。 ダシャは自立しようとしている・・・仕事探しに出かける。 建設現場で人手を探しているとボルトが聞いてきたのだ。 面接に出かけたダシャは臨時雇いで1日だけ働く事になった。 ダシャはこれまで仕事が長続きしなかった。 朝9時から夜8時まで・・・病院の内装の仕事だ。 お気に入りの靴が泥だらけでも必死に働くダシャ。 「明日も来なさい」・・・ダシャの心に希望が芽生えた。 ダシャ「幸せな家庭を築きたい、奥さんを貰って子供を育てたい。 子供は2人くらい欲しい。子供が家出をしたら、絶対 連れ戻す。暴力は振るわない。学校を卒業すれば 良い仕事に就けると思う」 6年が経ち、ダシャよりもボルトの背が高くなった。 オユナに恋人ができた。 恋人の家=ゲルに通うオユナ、恋人の家にはTVがある。 若者がTVを観ようとこの家に集まる。 恋人=ガンゾフ(20歳)の母は「オユナとは絶対に結婚させない」と言う。 最近深夜になると酔ったガンゾフがオユナを罵り、暴力を振るう。 オユナ「普通に仕事をして、娘と暮らしたい」 暴行を受けて「殺されるかもしれない」と言うオユナ・・・前編終わり。 マンホールで大人になった〜 後編 オユナは別れた娘のホロルに1年ぶりに会える事になった。 前夫=ツォージョが娘を連れて来てくれるのだ。 再会の朝、オユナは友達に服を借りる。 髪留めを借り、靴を拭く。 約束の場所に30分遅れて、元夫と娘ホロルがやってきた。 ツォージョは足に怪我をして、杖をついている。 娘のホロルはオユナの事を思い出せず、近寄るオユナに 後ずさる。 ツォージョ「おまえになつかないな」 オユナ「何しに来たの?」 ツォージョ「じゃあ、帰るぞ」 オユナ「お願い、待って・・・」 15分の再会・・・ 「1回だけ、Kissさせて。お母さんがわかる?」 そう言うオユナに、ホロルの反応はない。 そしてツォージョと娘ホロルは去っていった。 翌日、朝から酒を飲んでいるオユナ。 「お母さん、私は人間だよね? お母さんから生まれたんでしょ? なぜ私がわからないの? 私には子供が必要だよ。 私は一生子供から離れない・・・ごめんなさい、お母さん。 なんで子供と住めないの? 私達は普通の家に住めないの。 マンホールが似合ってるんだよ」 一方ダシャは以前友達の母が病気になり、そのために 盗みの手伝いをしたが未遂だった。 友達が警察に捕まり、ダシャも警察に事情聴取される事になった。 罪にはならなかったが、しばらくは警察に通って事情を聞かれる 事になった。折角臨時雇いの仕事が見つかったのに・・・・ ボルトは自分の建てた家に少しずつ手を入れている。 ダシャと2人で始めたが、ダシャが警察に呼ばれているので 1人で家に手を入れる作業をしている。 だが、ボルトはダシャを見放す事はしない・・・ 10年後のマンホールチルドレン〜に続く。 あんなに明るくて生き生きとしていたオユナのその後が 目まぐるしく変わっていたのには驚いた。 オユナが結婚生活の中で何を感じたかは、本人にしか わからない。でもマンホール生活が長かったオユナにとって 普通の生活に馴染む事は大変だったのだろう。 夫の家族の中に1人入っていき、疎外感を感じたんだろうか? 子供を連れてマンホールの母の元へ戻ったオユナ。 子供と離れる事になって、オユナは落ち込んだ様だ。 その後、恋人ができたが・・・・結局その付き合いも 上手くいかなかった。 仲たがいした母が彼女を受け入れてくれた事は、 オユナにとって、血のつながりを初めて意識した という事なんだろうか。 そんな中で唯一の心の支えだった娘に会う事になったのに、 娘は母親=オユナの事を忘れていて、抱きしめる事さえ できない。オユナは悲しみと絶望で打ちひしがれてしまった。 オユナの嘆きに、母親だってかける言葉が見つからない。 オユナはこれからどう生きていくのだろうか? ボルトはとにかく母の期待に応える為、死に物狂いで 頑張って、家を建て家族を養う暮らしを手に入れた。 出勤する息子を見送る母の幸せそうな笑顔。 母も妹もボルトもやっと家族一緒の生活を送れるように なった。でも・・・ボルトには弟もいたはずだが・・・ 彼はどうしたんだろう? ボルトがダシャの面倒を見ている事にも驚いたが、 ボルトがマンホールで一緒に暮らしていたダシャを 拒まなかった事が嬉しい。 ダシャも自分の希望を叶えられる日がくれば・・・ どんなにいいだろう。 ツォロモンは故郷ダラハンに戻って、父親から暴力を 振るわれていないだろうか? 親族となんとか折り合ってくらしているんだろうか? オユナが女性でボルト達よりも、社会的に仕事を見つけて 生きていく事がどれだけ大変な事なのか、わからない。 でも決して楽なものじゃないだろうとは想像がつく。 オユナは結婚が破綻した事によって、心に傷を負った。 この傷を癒し、前を向いて生きる事ができるかどうか・・・ オユナもボルトもダシャもまだ若い。 彼等がこの6年間、何を感じて生きてきたか、 もっと掘り下げて欲しかった。 マンホールチルドレンがこれ以上出てこないように。 「10年後のマンホールチルドレン」は、また次に。 |
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