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#85 天然のフリーズドライ 50年こんにゃく パーソナリティ・・・・・小椋佳 ●50年も保存できる凍みこんにゃく 茨城県久慈郡水府村・・・・全国で1軒凍みこんにゃくが 作られている。久慈は冷え込みが厳しいところで、凍みこんにゃくを つくるのには適している所だ。”袋田の滝”が有名で、冬には零下5度 まで気温が下がる。この冷え込みこそ、凍みこんにゃく作りに欠かせない 条件だ。 凍みこんにゃくは、戦前は乾物屋で売られており、日本中で食べられていた。 正月や田植えの時に食べられ、高野豆腐に似たものだ。 油揚げのような食感で、煮物にすると味がしみ込む。 久慈郡水府村で凍みこんにゃくを作っているのは こんにゃく屋を生業とする中嶋利(65歳)さん。 伝統の凍みこんにゃくを絶やしたくないと4年前に、伝統の凍みこんにゃく 作りを始めた。水府村ではかつてどこでも凍みこんにゃくは作られていたが、 今は中嶋さんただ一人になった。 ★凍みこんにゃく作り こんにゃくを作り、できたこんにゃくを薄く切る。 切ったこんにゃくを4日間、石灰水に浸して固くする。 12〜2月の寒い時期に行われる。かつては農閑期の仕事だった。 陽が昇ったばかりの田圃は氷点下になる。 田圃に藁を敷き詰め、踏み鳴らす。藁は昨年使ったものを保存しておき、 一番下に敷き、新しい藁を敷き詰め踏み鳴らす。藁の厚さは30cm。 米作りの終わった田圃は2反600坪、藁の上にこんにゃくを1枚1枚 広げて並べる。重なると薄くなるので、丁寧に並べてゆく。 1日8000枚、一冬で12万枚を並べる。 全て並べるには、10間あまり。 氷点下の田圃での作業は30分もすると手が動かなくなる。 休憩で湯の入ったバケツに手をつけ、温まる。 伝統的な作り方だが、藁がこんにゃくの水分を保つので 厚みのあるこんにゃくができる。 金網を使ってつくるとこんにゃくがうすくなる・・・400年間伝わった 作り方で作るのが一番いい凍みこんにゃくができるのだ。 久慈では昭和30年ぐらいまで、60軒の農家が凍みこんにゃくを 作っていた。 休憩で甘酒を取ると冷え切った体が暖まる。 中野ひな子(75歳) 「やるひとはいないだろうね、寒いけど大変だ」 田圃にこんにゃくを並べる作業を手伝う。 注文は全国からくる。 中嶋利「伝統の食品の良さを知ってもらい、沢山の人に 食べてもらいたい。特産として残したい」 ●長持ちする凍みこんにゃく 以前凍みこんにゃくを作っていた井上さんが、出してきた凍みこんにゃくは 15年前のものだった。凍みこんにゃくは湿気を避ければ、50年は持つ。 食品だけでなく別の使い方にも利用できる。 赤ちゃんの入浴時、垢すりとして使われる・・・体をこれで洗うとつるつるするのだ。 凍みこんにゃくを作る上で、暖かい陽射は寒さと同じくらい必要だ。 田圃に並べられたこんにゃくに、朝水をかける・・夜に凍ったこんにゃくを 早く溶かす。凍りっぱなしではダメで、1日4回水をかける。 凍る・・・とける・・・凍る・・とける・・を繰り返して凍結乾燥の繰り返しで こんにゃくは仕上がる。仕上がったこんにゃくは白くなる。 天然のフリーズドライ。 50000枚・・・・10日目に1枚ずつ裏返す。 日が翳ると最後の水かけ・・・止め水をする。 午後8時、たっぷりと水分を含んだこんにゃくは凍っている。 雨が少なくいい天気は凍みこんにゃくにもってこいだ。 白く輝く風に舞うこんにゃくは元の40分の1の重さになる。 暖かい陽のあるうちに取りこむ。 3週間あまりで完成となる。 取りこんだこんにゃくは納屋で陰干しをする。 四隅を切り落とし、形を揃える。 取入れが終わるとまた、新しいこんにゃくが田圃に並べられる。 2月一杯まで続く。 中嶋利 「この風景を、いつまでも長く作っていたいと思ってるんです」 凍みこんにゃくは食べたことが無い。 でも味は油揚げみたい・・・というのはなんとなくわかる。 味がしみ込む特徴があって、料理に使うとき重宝されているとか。 寒い時期に屈んだり、中腰で田圃にこんにゃくを並べる作業は 本当に大変な事だと思う。 伝統的な作り方が一番保存がきくということに驚く。 400年前にこの製法を考えた人は、凄い。 寒いし作業は単純作業、でもいい加減にはできない。 これでは作る人はいないと以前作っていた人達が、中嶋さんの こんにゃく作りを手伝いながら、話していた。 高齢の人達は、この伝統の凍みこんんやくを絶やしたくないため、 中嶋さんの心意気に賛同して手伝っているんだろう。 高野豆腐のようにもっとポピュラーな食べ物になったら、 後継者も少しは出てくるんだろうか。 とてもいい健康食品だし、もっと作る人が出てきたらいいのに。 大変な労働に見合う収入がないと、無理なんだろうか。 先人の知恵ってほんとうに凄いんだなぁと認識を新たにした。 これが「日本」のワザで、職人気質だ。 ちょっと感動してしまった。最近本当に、職人さんや長く物事を 継続している人に頭が下がる。 もっと大切にしたい人材・技術だよね。 1度凍みこんにゃくを食べてみたい。 |
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