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help リーダーに追加 RSS 極める〜匠の世界 「和紙〜本美濃和紙保存会」

<<   作成日時 : 2008/05/17 00:37   >>

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昭和62年放送分
「1枚を念ずるごとく」


現存する日本最古の和紙は、702年に戸籍用紙で正倉院にある。
その和紙は美濃紙だった。
長良川の上流・・美濃市
岐阜県美濃市は和紙の産地だ。うだつを掲げた家並み。
松久永助商店は紙問屋で当時の様子が残っている。
川から船で和紙を運んでいた当時、川港は賑やかだった。
川灯台は今も残っている。だんだんと和紙は廃れてゆき、
川を行き交う船も無くなった。





美濃市わらび地区は手漉き和紙の里だ。
昭和44年4月、需要無形文化財に認定された。
本美濃紙保存会・・・会員は5名、この里では5軒が日本一の
美濃紙を漉いている。
会長:古田行三(65歳) 吉田夫妻も40代で若かった。
茨城県から送られてくるコウゾを板取川で川晒しをする。
昔は質のいいコウゾがこの当たりでも取れたが、今は環境の
変化で絶えてしまった。





板取川で同じように川晒しをしていた鈴木竹一(77歳)
川晒しはほぼ3日間、良い紙は単なる技術だけでは生まれない。
天平以来の紙・・・
「私は和紙の美しさ以上に、それを作る人に心打たれるのです」 
ある人が言った言葉だそうだ。




和紙の工程
川晒し・・・・冷たい川の水で晒す。
しゃじょく(紙煮)
こうぞを清流に1日つける
ちりとり(ゴミを取る)
叩解(木槌で繊維を叩く)・・・熟練と心の集中がないといい紙はできない
ねべし(とろろあおい)・・・水につけたとろろあおいの根をザルで濃し、
                袋で漉す
紙漉き・・・横揺りと縦揺りを繰り返す
湿紙層(しと)・・・・漉いた紙は1晩置いてから水分を絞る
紙つけ(板張り)・・・馬の毛で作った特別製の刷毛でする
選別・・・・乾燥の終わった紙を、厚み・色合いなどを選んで
      8段階に分ける
 



吉田氏の妻、さよ子(64歳)は紙を漉く。
厚みを揃え、気泡を生じないようにするためには
優れた技術がいる。
長年の積み重ね=技術
紙漉きはカンによるものが多い、微妙な気持ちが出る。
心の持ち方・考え方だけでいい紙ができる。



紙を選別するのも大変だ。
1枚丁寧に見て、同じでき具合のものをより分ける。
いい紙をそろえて出す、紙漉きとしての誇りからか、厳しい目で
紙を揃える。



吉田要三・・・吉田会長の弟
全国でも有名な漉きす作りの名人だ。


漉きすはヒゴ作りから始まる。
竹をつき割り機でひごを作る。
ひごをひご抜きで削いで、直径0.6mmの竹ひごにする。
漉きすの1本を作るには、3本を削いでからつぐ。
1枚の漉きすには3000本のひごが必要だ。
漉きすにムラがあれば、紙のムラになる。
水中で振るわれてもずれないように、絹の原糸を撚りあわせた
特別の糸を使う。


京都市”墨光堂”は由緒ある表具屋だ。社長:岡岩太郎
国宝や文化財の修理にあたる。
墨光堂で使う和紙は60%が吉田会長の和紙だ。
肌裏打ち・・・名画の裏に張られる。
和紙は海外の美術品の修理にも使われている。


保存会の会員も高齢化が進み、後継者問題が起こっている。
吉田会長も1度は紙漉きを止めようと考えたこともあった。
それゆえ、自分の子供に紙漉きを継がせようとは考えなかった。
今になって後悔しても・・・・と話す。
伝統の灯は絶やしたくないとも。




702年の戸籍用紙が今に保存されていることに、感動する。
凍みこんにゃくもそうだが、ここまで極める職人気質にも。
日本人は物作りのDNAが今もずっと絶えずに、伝わって
オタクまで生み出しちゃったのかしら。
でも、悪い事ではない。
おばさんにも「オタク」気質はしっかりとあるみたいだ。

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