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help リーダーに追加 RSS NHK/HV特集 シリーズ「中国・桃源郷を訪ねて」(1)

<<   作成日時 : 2008/07/07 23:09   >>

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鍾乳洞を抜けると新緑の山里・・・・雲南の春



中国の桃源郷と呼ばれる美しい村を訪ねるシリーズ(1)

雲南省バーメイ村
人口800人、チワン族の山里、村への入り口である鍾乳洞を抜けると、
その村はあった。
自然に恵まれたのどかな村で、標高1500メートルに山岳地帯にある。
晋の時代の詩人:陶淵明が書いた「桃花源記」の風景によく似ており、
桃源郷のモデルの1つといわれている。



村人の暮らしは昔ながらの自給自足に近く、そこで暮らす人々は
素朴で明るい。春の到来とともに村では、山に入って山菜を取るもの、
”草医”と呼ばれる民間治療の医師が、漢方薬を山で採取したりしている。
この医師が村人の子供をほとんど取り上げたようだ。
今ももうすぐ子どもが生まれるという人が、彼を訪ねてくる。
息子の嫁にもうすぐ、子供が生まれると医師を呼びに来たのだ。
彼は「男の子」を望んでいる、
「女の子は他所に嫁に行ってしまう、男の子は家を継ぐ大事な宝」
と話す。ひとり息子に初めて子供が生まれるので、緊張している。
焦る老人とは対照的に医師はのんびりと水タバコをふかし始める。
ようやく腰を上げた医師は老人の家に妊婦を見に行く。
医師のみたては・・・「大丈夫、もうすぐ生まれる」



子供2人は学校の寄宿舎に入っている42歳の男性は、現在は妻と2人暮らしだ。
彼の父親は亡くなり、母親が1人で住んでいる。
その母親は酒作りの名手で、毎年時間をかけて酒を作る。
子供の頃、手伝いをした男性はよく怒られたそうで、父親は母親の
作る酒がとても気に入っており、他の人の酒は飲まなかったと嬉しそうに
母親は語る。親戚や来客の時、酒は振舞われた。
年老いた母親を心配して「一緒に暮らそう」という息子に母は言う。
「1人暮らしが気楽でいい」


妻と山に山菜を取りに行く男性に、歌をうたい返歌を待つ妻。
2人は歌を歌いあう会で知り合って結婚したのだ。
20年振りに歌うと少し照れながら歌う男性。
彼等が歌いながら取った山菜は・・・どくだみ、わらび・・・
山は山菜の宝庫だ。
これが彼等の今晩の夕食になる、どくだみともう1種類を入れたお浸し、
わらびの炒め物。




川で牛を洗う人、泳ぐ子供、野菜を洗う女性、洗濯をする人、
髪の毛を洗う女性・・・川で村人が何かしらしている。
しかしこの村にも涌き水を利用して水道が引かれ、電気は昨年引かれたが、
今のところ、使うのはTVを観るくらいらしい。




村では魚取りの老人がいて、彼は孫と川に魚をとりに行く。
網を放ち、川に潜って魚を追いこむ。昔ながらの漁法だ。
名人は70を過ぎてもなお、川に潜って魚を取る。
しかし彼が取るのは1匹だけ。
どんなに名人でも取るのはいつも夕食の分だけだ。
家に戻って老人は取った鯉を生姜と共に煮る、あとは筍の漬物が
今晩の食事だ。
「今日も魚が取れて食べられる、ありがたい」



村の大工は山に入って、鋤になる小枝を探し伐採する。
家に戻って仕上げをする。彼は鋤などの農作業に使う道具を
頼まれて作ったり、作った道具を村人に貸したりする。
頼まれればどんなものでも作る、家具や農機具・・・
「昔は何十年も持ついい木があったが、今はない」





田植えの準備が始まった。
田を耕すのには牛を使う、大工の牛は鼻輪をつけないで、鋤を
背中に乗せて働く。
大工「疲れると牛は暴れるが、うちの牛は大人しいから暴れない。
   だから鼻輪をつけなくていいんだ。牛の負担にならないし」
田を耕し、水車の組立てを皆でする。クギひとつ使わずに水車は
組立てられる。こうして組立てられた水車によって、田圃に水が
入れられる。その田圃を牛と共に耕す村人たち。
機械が入らない田圃では、牛が大切な作業の担い手だ。
牛は貸したり借りたり・・・借り賃にわずかなお金を渡す人もいると
いう。





鍾乳洞には燕の巣が沢山あり、村人達はそのフンを集めて
田圃に肥料と混ぜて撒く。科学肥料よりも燕のフンは栄養があり
よい米を作るのにいいのだ。
鍾乳洞にフンを取りに行く村人たち・・・以前は燕の巣を取っている
人達もいたが、ある時、高い場所に登って落ちてしまった人が出た
ことから、燕の巣は取る人がいなくなった。




漁師達が魚を取る場所はまるで「桃花源記」に書かれている景色のようだ。
米を作り、魚を取り、村人の暮らしは季節とともに続いていく。




初めての孫が生まれた老人はやっと3日目に対面した。
ご先祖さまに顔見世するまで、赤ん坊とは会えないのだ。
顔を見て嬉しそうに抱き上げる老人。
「あなたがこの家の跡取りだ」 「私達の希望だ」
自分の子孫がこうして連綿と続いていくことを望んでいると言う。




水を入れた田に雨が降った。
雨が降れば田圃にはいいと村人がいう。
そして田植えが始まった。舟で鍾乳洞を抜けて村人達は町に買物に行く。
「また秋にきてください、紅葉が美しいですよ」
案内をしてくれた男性に送られて村を去る日が来た。



男性は寄宿舎に入っている子供が村に帰ってくれる事を望んではいるが、
無理強いはできないし、先の事は分からないから期待はしていないと話す。
この先、この村がどう変わっていくのか・・・誰もわからないと。




懐かしくて心癒される風景がこの山里にはあって、観終わった後
凄く穏かな気持になった。
その日必要な物が取れれば、深追いしない老漁師、近代医学よりも
漢方薬を使った治療のほうがいいと草医のところを訪ねてきた患者。
仕事の合間、ある年代の男たちは水タバコをふかす。
子供達は泥んこになって遊び、牛やアヒルなどの家畜もどこかのんびりと
した様子で歩いている。
鍾乳洞を抜けてやってきた外の人は、村を見てきっと驚いただろう。
隠れ郷のような風情だもんねぇ。



中国って本当に広いんだなとしみじみ思った。
北京や上海などの大都市とは違う、素朴でどこか懐かしい、
これも中国だ。
一昔前の日本もきっとこんな暮らしをしている場所が、沢山
あったんだろうなと郷愁にも似た思いも感じた。
そして、先日視聴した尾道市の棚田の村を思い出した。
あの村ものどかで美しい村だった。

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